一歩一歩進んでいく
クリックの洪水

 この2年ぐらいで、ペイパークリック(PPC)広告の市場はぐんぐんと成長し、大規模になりつつある。この結果、良くなったことがたくさんある一方で、悪くなったこともたくさん表われる結果となった。たとえば検索エンジンに対して大量のスパムが仕掛けられるようになったし、メールボックスもスパムだらけになった。ブログを書けば、コメントはスパムで埋め尽くされ、そしてPPCの広告には「クリックスパム」なるものも登場してきた。

 クリックスパムというのは、インターネット広告をクリックしまくって、クリックスルー率で広告料金を支払っている広告主に多額のカネを支払わせてしまうというスパムの手口だ。

 このクリックの洪水は、防ぐのはたいへん難しい。そもそも、新しい手口でさえない。もう何年も前から、Webのトラフィックを人工的に水増しするために使われてきたやり方である。手口にはマニュアルとオートマチックの2種類がある。マニュアルはとにかく人の手を借り、クリックしまくるというものだ。典型的な手口としては、アフィリエイトの収入を増やすためのものがある。オートマチックは、hitbotsと呼ばれるプログラムを使って、人力でやるのと同じことを行なわせる。結果としてはマニュアルと同じだ。

 最近もある企業がGoogleの広告にこのクリックスパムを仕掛け、不正を行なっていたとしてGoogle側から提訴される騒ぎになっている。

 この件については、連載の次回でもう少しお話ししてみたい。どうすればクリックの洪水を摘発することができるのだろう?



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