●Microsoftの新しい検索エンジンをめぐる噂
icrosoftの「MSN
Search」は、検索クエリー数で比較すると、今や世界で3番目の規模の検索エンジンになっているらしい。ある匿名の情報源によると、人員数で計算すれば、Microsoftの中でももっとも利益率のいいビジネスになっているともいう。これまでその検索エンジン部分はInktomiとLooksmartに、広告はOvertureにアウトソースしていた。だがYahoo!がInktomiを買収したことで、Microsoftは恐らく「いよいよ自前で検索エンジンのインフラを作り上げるときが来た」と考えたのだろう。Googleの特徴を再現するような検索エンジンの開発に取り組み始め、そのシステムをInternet
ExplorerやWindowsと組み合わせようとしている。つまり、
という2つの機能を実現しようとしているのだ。そして彼らは新検索エンジンの開発にあたり、他社を買収して技術を得るのではなく、自社開発の道を選んだ。でもこれには、Googleを買収しようというMicrosoftの非公式のオファーが、Google側から拒否されたためという説もあるらしい。
現状では、若い技術者が実験的に検索エンジンのロボット「MSNBot」を作っているという。この現行バージョンはかなり挙動不審で、クロールされたサイトのログを見ていると、同じデータを何度も何度も要求してきたりする。まだ研究開発の段階で、製品化には至っていないということだろうね。
ちなみに僕はこうした情報を今回、Microsoftの人間から直接聞いた。NDA(守秘契約)にサインしろとは言われなかったので、大丈夫だろう。話していたのは、MSN Searchの部隊のジェネラルマネージャーだけどね。
“自社開発”という決定をマイクロソフトが行なったことには、不安に感じる人も少なくないだろう。同社がこれからGoogleとどう競争していくのかを想像すると、数年前に起きたNetscape社との戦いを思い出してしまうからだ。……いま、この記事を読むのに、Netscapeを使っている人がどれだけいるだろう?
とはいえ、強力な検索エンジンが登場してくるのは、市場競争的にはすばらしいことだ。GoogleやYahoo!にあまりにもシェアが集中している現状は、決して良い傾向とは言えない。MSN Searchが25〜35%のシェアを占めるようになれば、かなりいい感じの状況が生まれてくるだろう。でもそのシェアが75〜85%にまで達してしまうと、今度は状況は悪化してしまう。
MSNBotはあなたのサイトも訪れているかもしれない。そのIPアドレスは「131.107.163.xx」なので、一度チェックしてみよう。