一歩一歩進んでいく
●Google買収で検索が変わると思う4つの理由とは

 インターネット関連のニュースを日々追っかけている人なら、Googleに関する噂をもう知ってるだろうね。何度も何度も報道されてるから。

 噂というのは、ひとつはGoogleが株式公開(IPO)に踏み切るのではないかという話。もうひとつが、MicrosoftがGoogleに買収を持ちかけているのではないかという噂だ。この1カ月、世界中のメディアがこのふたつのニュースを(少なくともどちらかは)報道しているようにさえ見えるほどだ。

 というわけだから、GoogleがIPOを目指す理由や、株式時価総額、評価額といったインターネット企業のIPOをめぐるさまざまな話について考えをめぐらすのはやめておこう。同様に、Googleというすばらしく柔軟なベンチャー企業が、本当にMicrosoftという巨大組織に売られるのかどうかという話も今回は取り上げない。

 僕はGoogleの株で儲けようとは思っていないけれど、Googleの検索結果はメシの種にしている。だから今回の一連の噂については、ひとつの点にだけ興味がある――つまり、GoogleのIPOやMicrosoftによる買収は、GoogleのSERP(検索結果表示ページ)に何らかの影響を与える可能性はあるのだろうか?

 まず第1に、GoogleがIPOした場合。たぶんこの場合は、検索エンジンにはたいした影響はないだろうね。米国有力紙の「The New York Times」の記事によると、Googleは「株の10〜15%を一般募集する予定で、総額は20億ドル以上になる」という。だから、もしIPOの主目的が企業の拡張と、投資家や従業員への報奨金だけにあるとするのなら、検索結果には特に大きな影響は与えないという言い方もできるはずだ。僕の推測としては、Googleのビジネスはこれまで通りに続くだろうし、検索エンジンマーケティング業界にとってもGoogleのIPOは良い影響をもたらしそうだ。

 ではもし、GoogleがMicrosoftに買収されるとどうなるだろうか? 僕の考えでは、GoogleのSERPは影響を受けると思う。その理由はこうだ。

1. Googleのデータベースは、WindowsではなくLinux上で動いている。もしMicrosoftがGoogleを買収してしまうと、GoogleがLinuxを使うのを止めてしまう可能性が出てくる。
2. インターネットユーザーの中には、Microsoftを嫌っている人が少なくない。もし買収が行なわれれば、ユーザーの一部がGoogleから離反して他の検索エンジンに移ることもあるだろう。オープンソースの検索エンジンである「Nutch」がさらに大きな注目を集め、ユーザーの支持を得るようになる可能性もある。

 Nutchプロジェクトは検索エンジンの広告化を食い止めようと考えており、「オープンなアルゴリズムを使ったNutchの検索結果と、他の商用検索エンジンの検索結果をユーザーが比較できるようにし、Googleなどの商用エンジンの公正さを保たれるようにしたい」と宣言している。またNutchの登場で、大手検索エンジンが使っていないような新しいアルゴリズムを研究したがっている人たちに新たなプラットフォームを提供できるようになる。3. MicrosoftはGoogleに対し、ビジネス的にうまくやっていくことを最も望むはずだ。横道にそれることは許さないだろうね。4. たぶんGoogleの経営者は交代することになるだろう。いまの経営陣とは異なる考え方、哲学を持った誰かが経営者の椅子に座ることになる。買収による経営統合というのは、必ずさまざまな変化を伴うものだ。それが企業の技術に与える影響というのは少なくない。
Internet watchより全て引用しています。著作権はInternet watch及びその記事の基となったところへ帰属します