BUSINESS WIREの12月15日の記事によると、ノルウェーのFast Search & Transfer(FAST)社の検索エンジンが、日本の楽天に採用されたそうだ。楽天市場の検索機能を強化するためだという。FASTはAllTheWebという検索ポータルを持っており、その検索性能はGoogleに匹敵すると言われている。同社の検索エンジン部門は今年初めに米Overtureに買収され、そのOvertureは夏に米Yahoo!に買収されたのはご存じの通り。
いずれにせよ、日本企業がこのような形でFASTのエンジンを採用するのは、たぶん初めてだ。これを突破口に、FASTが日本に本格進出してこれば、面白い展開になってくるかもしれない。
BUSINESS WIREの記事では、楽天役員の吉田敬氏がこんなふうにコメントしている。
「FASTのすばらしいパフォーマンスとスケーラビリティは、われわれの期待を超えるものだった。これによって3分の2のサーバーを減らすことができ、TCO削減に役立つ。それに加えて、1秒間に受け付ける検索クエリーのピーク数をこれまでの3倍以上に引き上げることができた」
FASTはエンタープライズ分野のビジネスを、Eコマースのような分野でのミッションクリティカルなアプリケーションにシフトさせつつある。検索ビジネスは今後、こうした企業内利用の分野へとどんどん広がっていくのだろう。その好例としても、今回の楽天のFAST採用には注目しておきたいところだね。