Yahoo!は最近、中国への積極的な進出を公言している。とはいえ、今のところは同社は中国で成功しているとは言いがたい。中国の国産ポータルサイトである「新浪(sina.com)」や「捜狐(Sohu.com)」、「網易(netease.com)」に太刀打ちできてないからだ。
台湾のニュースサイトであるタイペイタイムズのこの記事によると、Yahoo!のテリー・セメル(Terry Semel)会長兼CEOはキーワード広告とネットオークションが、中国大陸における戦略的商品になりうると見ているようだ。「Yahoo!が次に積極展開を行なうべき国のリストのトップは、中国だ」と、セメルCEOはタイペイタイムズの北京でのインタビューでコメントしている。
Yahoo!にとって、中国という市場の潜在的な“うまみ”は巨大なものがある。この国には7,000万人ものインターネットユーザーがいて、アメリカに次ぐ世界第2位の市場に育ってきている。
中国本格進出への足がかりとしてYahoo!は昨年、1億2,000万ドルを使って北京三七二一科技有限公司(3721 Network Software)という中国企業を買収した。三七二一は中国ではポピュラーな検索エンジンである3721.comに技術を提供している企業。Yahoo!はこの三七二一を使ってキーワード広告のモデルを中国向けに展開し、さらにYahoo!独自の検索エンジンである「Yahoo! search technology」をローカライズさせる目論見のようだ。
さらに今年1月には、Yahoo!は新浪との間でネットオークションの合弁事業を立ち上げることを発表している。中国のネットオークション市場は、実はe-Bayが80%以上を独占している。e-Bayは上海に本拠地のある地元のネットオークション企業、Eachnet社を昨年買収しているからだ。しかしZDnetなどの記事によれば、Yahoo!は今年後半にもネットオークションを中国でスタートさせる腹づもりらしい。そしてまた、僕の住んでいるニュージーランドのNew Zealand Heraldの記事によると、e-BayとYahoo!は今後数年、ネットオークションの市場をめぐって大戦争を繰り広げることになりそうだという。
中国での戦いは、その前哨戦とでもいうべきか。日本みたいにYahoo!が勝つことになるのだろうか、それとも――。