一歩一歩進んでいく
●Overtureの「位置キーワード」サービス

 新しいSEM(検索エンジンマーケティング)の用語が出現した。「radius based keywords」という。“位置キーワード”とでも訳せるだろうか。地理に関連づけられたキーワードのことで、たとえば郵便番号なんかがそうだ。

 Overtureは数カ月以内に、検索キーワード広告の新しいプログラムをリリースする予定だという。検索結果ページに、広告主が自社の地理的な位置を表示させることができるというものだ。Overtureは、Webサイトさえ持っていない膨大な数の中小・零細企業をターゲットにしているようだ。営業時間と住所、電話番号なんかを記載したシンプルなWebページも作成できるというから、このプログラムを使えば、経営者はWebサイトも必要なくなってしまう。

 広告主の側は、顧客を呼び込む方法として、自分の店や会社から半径何マイルかのエリアを選ぶか、もしくはターゲットとなるエリアの郵便番号を指定することができる。Overtureと提携している検索ポータルの側は、検索するユーザーに自分でエリアを入力してもらう方法か、あるいは登録情報から自動的に郵便番号などで地理データを取得し、位置情報を取り込んで表示する方法を選ぶことができる。

 検索ポータルが、どちらの方法を選ぶのかはまだわからない。どちらの方法も、パートナーサイトに合わせてカスタマイズされ、組み込まれることになるだろう。たとえばユーザーの登録情報から地理データを取得しない場合は、実際に検索をする際に郵便番号の入力を求められることになるかも知れない。

 このローカルな検索市場というのは、検索業界では比較的ホットなトピックになってきている。ただ、問題はこのプログラムがセルフサービス的なモデルであることだ。そこで売り上げを伸ばすために、Overtureはセールスマンをたくさん抱えている電話帳業者や新聞販売店などとパートナー契約を結ぼうとしている。またチャネルパートナーとして、検索エンジンマーケティング企業ともパートナーを組むことを計画しているという。

 今後、Overture(と親会社のYahoo!)はこうしたモデルを日本にも持ち込んでくるのだろうか? もしその可能性があると思ったら、今のうちからWebサイトのすべてのページとメタタグの中に、住所と連絡先を掲載しておいたほうがいいかもしれない



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